競合をとると言われたら・・_image

競合をとると言われたら・・

即戦力思考

今週の営業レシピは「競合をとると言われたら・・」です。長文となります。ご容赦ください。

さあ、今日はあそこの結論が出る日だと契約書類を準備して、意気込んで結論を確認するも
「稟議をあげるのに相見積もりが必要なのでもう少しお時間ください」
「社長に打診したら、他社も検討しなさいと言われたので・・・・」
ありますよね。でもここからが売れる営業マンの本領発揮です。

まあまあの営業マンの回答
「そうなんですね。どうしようもないですか?わかりました。それでは他社のコストが万一安い場合は、メーカーにエビデンスをもって再交渉するのでそのアドバンテージだけはお約束頂いてもよいですか」的な感じで、負けない商談に切り替える

一流の営業マンの回答
結論から言うと「競合を取らないでください」と言うのです。
それでもダメなら「今だけはやめてください」です。しかしいきなり言ったら、単なるリスクです。

ではどの手順で行うのか?会話式で伝えます。
営業「少しお聞きしてもいいですか?今回の提案内容そのものはいかがでしたか?」「違和感を感じておられる部分があるんじゃないですか?」
お客様「いえ特にそれはないです。当社にもメリットある提案だと思いますよ」

営業「ではもう1つ聞いていいですか?今回弊社との初めての取引になるのでアフターサポート等に不安があるんじゃないですか」
お客様「いえ、○○さんみたいな大きな会社なのでアフターのサポートの不安もありません」
営業「それであれば、競合をとらないですむ方法を一緒に考えて頂けないでしょうか?」「今回の提案にメリットがあり、サポートに不安がなくても価格を比べたいというのは私もそうですし、誰もがそうです。極論弊社の価格を競合先に渡したら、基本的にはどんな手をつかってでも同等・それ以下でもってこられるでしょうし、逆もしかりです。私どもとしたら競合先をよばれることで1%でも可能性が低くなることが、ここまでやってきた最大のリスクですし、個人的にもそれだけは勘弁願いたいです。競合した時の他社の価格はわかっているので(会社にデータベースもありますし)競合申請を会社とメーカーにやりますので、それで協力頂けないでしょうか?」

まあいろいろと言い回しはあると思いますがこんな感じで、まずは「競合をとらせない」ことにチャレンジしましょう。
しかしコレは相手を怒らせ、信用を失うリスクもあるので絶対に下記3点はおさえた上でお願いします。
① 今回の提案で違和感を感じている部分(メリットを感じてもらってるどうか)の確認
② 導入後のアフターサポート等に不安がないことの確認
③ 売る側でありながら、こんなこと言ってすみませんと思っている表情(「本当にすみません」と何度も言いながら)で言う

しかしながら、上記3つを満たしても、それでも競合をとられることも往々にしてあります。
その時は第2弾「今はやめてください」です。これも会話式でいきます。

営業「わかりました。では競合先に声を掛けるタイミングだけは待ってください」
「と言いますのも、まずはメーカーに競合申請をして、政策的価格(最安値)の承認・認可を取りたいためです。過去、考えられないことが起きたことがありまして・・私どもはメーカーではないので真意はわかりませんが、例えば弊社取扱いのメーカー○○に競合他社メーカーからクレームが入り、政策価格(最安値)が通らなかったことがありました・・・」

こんな感じでこちらにもっと寄せるために時間稼ぎをするのが「今はやめてください」です。
その間に下記3点を意識し行動すること
① 競合すると言われた瞬間から相手より接点数を上回ること
② 相手にできない提案を再考すること
③ 相手の上長(社長)に会う努力をすること

②・③は状況次第ですが①は努力(意識)で出来ます。必ず出来ます!そしてさらにこちらに寄せてから、最後の価格をふるのです。

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著者プロフィール

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平井 徹

セールスアドバイザー
平井 徹事務所 代表
アン・コンサルティング株式会社 社外取締役
営業の「きつい」を「おもしろい」に

昭和46年生まれ51歳。大阪府摂津市で育つ。6年前に上京、現在横浜市在住。仕事の経歴は平成7年4月株式会社大塚商会入社、飛び込みメインのエリア営業配属。新人賞1位から10年連続で優秀セールス賞受賞。最年少営業マネジャーとなり、その後17年間営業管理職(大阪北支店12年、渋谷支店4年、千代田支店1年)に従事。2021年8月、平井徹事務所開業。兼業にてアン・コンサルティング株式会社の社外取締役就任。2022年7月、BtoB企業の営業支援を本格的に開始。現在顧問先複数社と契約し、社長・営業マネジャーと二人三脚で営業部門の強化に奔走。

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