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営業の基本 ⑨専門性

即戦力思考


今週の営業レシピは「営業の基本 ⑨専門性」です。

お客様としては、経験が全くない新人営業とわかっていても、PRされる商品やサービスを全く知らない人からは買いません。では全く経験のない新人や経験の少ない若手営業パーソンはどうすべきかを一緒に考えていきましょう。

①知識のある社内の人に同行してもらう。これが一番手っ取り早い方法です。しかしながら、同行の際、お客様のお話をメモするだけでなく、同行いただいた方の知識や伝え方、お客様の反応がよかったこと等をメモして徹底的に学び盗み、極論は1回の同行で自分のモノにする意識をもって同行してもらいましょう。

②社内で知識のある人(上司・先輩・専任)にお願いして、事前に商品やサービスのキーポイントを学び、機能や特徴はカタログやアプローチ資料をみながら話ができる程度でいいです。大事なのはその商品・サービスのキーポイントです。キーポイントとは、その商品やサービスが今お客様に必要とされる背景、導入する効果、競合他社との違いです。そのお客様の同業他社事例があれば、比較的簡単にキーポイントを話すことができると思います。効果的な方法としてはキーポントを一方的に話すのではなく、お客様がキーポイントについてどう思ってるかを確認するように質問形式で伝えてみることです。「例えば、御社の業界では、ここ数年人材の採用コストが大幅に増えているにも関わらず、採用できず人手が足りないとお聞きしましたが、本当にそうなんですか?一部AIやロボット化ができれば検討していきたい企業もありますが、御社としてのお考えはいかがですか?」のように必要とされる背景を質問形式で伝えるのです。

③一番単純な商品やサービス(ドアオープン商品)でいいので、1つだけ自社の扱う商品・サービスの中で、ベタランの方にも負けないくらいの知識を意識的につけましょう。まずは1つでいいです。「経験の浅い若手営業パーソンなのによく知ってるなあ」と思われると、信用はあがります。それを1つづづ増やせばいいのです。全部中途半端はダメです。

④商品・サービスのPRというよりは、担当替えのご挨拶ということで、顧客の理解に徹するのも1つの方法です。相手をよく知る行為(相手に関心を示す)は信頼関係構築に欠かせません。近い将来自社の商品やサービスにつながる質問も含め、あらかじめヒアリング項目を整理して臨みましょう。そして、理解に徹する中で次回につなげる宿題をつくるか、つくれなかった場合でも「本日のお話を踏まえ、社内で確認し、お役に立てそうな内容がありましたら、もう一度アポイントとらせてもらっていいですか?」とお伺いの質問をして、相手のYESをとります。時間をあけずに次回アクションにつなげることが重要です。たった1回の担当変更時のヒアリングだけでは相手の印象に残りませんし、関係性構築もまだまだです。まずは何でもいいので(どんな小さな商品でもいいので)商談をすることが重要です。関係性もあがりますし、相手の理解も更に深められます。

最後に社内の中でも、誰にも負けない専門性(1番)をつくりましょう。例えば、気持ちの良い挨拶や返事、カタログの在庫数の把握、エクセルやパワポ作成、誰にも負けない活動量、美味しいお店の把握等、何でもいいです。得意があれば人に関心をもたれますし、自分の小さな自信にもなります。

著者プロフィール

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平井 徹

セールスアドバイザー
平井 徹事務所 代表
アン・コンサルティング株式会社 社外取締役
営業の「きつい」を「おもしろい」に

昭和46年生まれ51歳。大阪府摂津市で育つ。6年前に上京、現在横浜市在住。仕事の経歴は平成7年4月株式会社大塚商会入社、飛び込みメインのエリア営業配属。新人賞1位から10年連続で優秀セールス賞受賞。最年少営業マネジャーとなり、その後17年間営業管理職(大阪北支店12年、渋谷支店4年、千代田支店1年)に従事。2021年8月、平井徹事務所開業。兼業にてアン・コンサルティング株式会社の社外取締役就任。2022年7月、BtoB企業の営業支援を本格的に開始。現在顧問先複数社と契約し、社長・営業マネジャーと二人三脚で営業部門の強化に奔走。

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