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営業の基本⑬ 事前準備

即戦力思考

今週の営業レシピは「営業の基本⑬事前準備」です。

「営業は準備が9割」という書籍があるように、事前準備力も営業の基本に欠かせない能力です。皆さんはお客様訪問前の事前準備と言えば、何を想像されますか?

自社の会社案内や売れ筋の商品・サービスの資料等が、まず最初に思いつくのではないでしょうか。間違いではありませんが、もっと大事な事前準備がありますよね。

 

そうです。訪問するお客様の「顧客プロフィール」です。具体的には、どんな仕事をしている会社なのか?設立年、沿革、理念、年商、従業員数、決算月、社長の年齢、そのお客様のキャッチコピー(売り)は最低限ホームページ等で調べますよね。更にそのお客様のお客様や、お客様のライバル会社まで把握できていると更にいいですよね。

 

そしてもう1つありますよね。そうです。「自社との関わりの履歴」です。具体的には現状の取引内容やその経緯、また過去の取引履歴や接点履歴等です。

それでは何故、「顧客プロフィール」と「自社との関わりの履歴」を調べる必要があるのでしょうか?

それは調べてきた内容をお客様に確認するように質問して、お客様との関係性を深める為でもあり、また調べた内容から「どんなお困りがありそうかな」「自社のどんな商品・サービスがお役に立てそうかな(売れそうかな)」と仮説を立てたり、商談ストーリーを考えたりして、提案約や次回の宿題につなげる為ですよね。

 

そこで一番重要な準備を忘れていませんか?

意外と「この準備」が出来ていない人が多いです。もっと言いますと「この準備」の差が、営業経験が浅いのにも関わらず、売れてる人と売れていない人の大きな違いかもしれませんね。成功経験が豊富なトップセールスや天才的な方は、あえて準備しなくても実際の商談になれば、自然とやれる人もいますが・・。経験の少ない若手営業パーソンの方は「この準備」を徹底することで、格段に成長します。「この準備」とは、商談での「具体的質問内容」を事前に考えておくことです。

 

何を質問するかで商談の方向性は変わります。提案約につなげる為に、どの質問で関係構築を図り、相手のガードを下げ、自分が描いたストーリーに持ち込んでいけるかで提案約取得率は変わってきます。

例えば、「現在取引頂いてから3年、3つの事業がある、従業員は70名」という調べてきた内容を「御社に取引頂いてもう3年になりますが、当社のイメージってどんな感じですか?改善すべき点等あれば遠慮なく言ってください」で戦略的アイスブレイクで軽くガードを下げ、更に「御社には3つの事業がありますが、今年度全社として一番力を入れていることって何ですか?」で更にガードを下げつつ、顧客の理解を図り、更に更に「現在従業員が70名と記載がありましたが、今後も増やしていく予定ですか?どんな部署の方を増やしていく予定ですか?」でよく調べて訪問してきている印象、お客様に関心をもっている印象が相手に伝われば、初回訪問の関係構築は完了です。

 

お客様が聞く体制に入ったので、ここから本題の質問に入っていきます。

事前に準備した具体的質問内容の出番です。まずはホメ出しから、「ホームページを拝見する限り、順調そうなので困っていることはなさそうですね?」、お客様「いやいや、そうでもないですよ。実は・・・」とお困りや課題が意外に出てきますが、出ない場合は、「もう少しご質問させて頂いてよろしいですか?」とお伺い(承諾)の質問をして、「御社の業界では、こういうお困りがあると社内の勉強会で学んだのですが、私が勉強不足なもので・・、もしよろしければ何故そんなお困りがあるのかお教え頂いてもよろしいですか?」とか「御社にもその内容に近しいお困りってあるものですか?」で業界課題の確認から入り、それでも少しもお困りがみえない場合は、前半にお聞きした内容から、「人が増えることで、○○なお困りが発生してきませんか?」とか「今期全社で一番力を入れている○○は、どうなれば理想ですか?現在のところその理想とのギャップはありますか?」等々で、【ふわっとした課題感】を入手して、次のアポイントへの宿題をもらう、もしくは、「【そのふわっとした課題感】を解決に近づけるソリューションがあれば、一度提案させて頂いてもよろしいですか?」と軽めの提案約につなげる。

 

この一連の「質問」を最低5つは準備して臨むと、自らが望む【商談の流れ】に近づけることが出来ます。

要するに「具体的質問内容」の事前準備次第で次のアポイントがもらえるかどうかが決まります。

もっと言うと単に挨拶で終わる商談か、次回に繋がる商談になるかは、事前準備した関係構築のための「具体的質問内容」とそして次回のアポイントにつなげる宿題をもらったり、提案約につなげる為の「具体的質問内容」があるかどうかで決まると思います。

事前に調べた内容をもとに、5つの「具体的質問」を準備する習慣をつけましょう。

若手営業パーソンが加速度的に成長できる術かと思います。

私は若い頃、自分で「質問内容」を考えるだけでなく、同行頂いた上司やトップセールスの「質問内容」をよくメモって、それをすぐ別のお客様に質問し、練習しておりました。

そのことで提案約をたくさんとれるようになりました。


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著者プロフィール

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平井 徹

セールスアドバイザー
平井 徹事務所 代表
アン・コンサルティング株式会社 社外取締役
営業の「きつい」を「おもしろい」に

昭和46年生まれ51歳。大阪府摂津市で育つ。6年前に上京、現在横浜市在住。仕事の経歴は平成7年4月株式会社大塚商会入社、飛び込みメインのエリア営業配属。新人賞1位から10年連続で優秀セールス賞受賞。最年少営業マネジャーとなり、その後17年間営業管理職(大阪北支店12年、渋谷支店4年、千代田支店1年)に従事。2021年8月、平井徹事務所開業。兼業にてアン・コンサルティング株式会社の社外取締役就任。2022年7月、BtoB企業の営業支援を本格的に開始。現在顧問先複数社と契約し、社長・営業マネジャーと二人三脚で営業部門の強化に奔走。

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