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三大営業力 その2「SPINヒアリング法」

即戦力思考

今週の営業レシピは、三大営業力 その2 「SPINヒアリング法」

 

先週の「戦略的アイスプレイク」で、お客様との関係構築が図れたのならば、次は最も重要なヒアリングプロセスとなります。ヒアリングプロセスで大事なことは、「人は相手の言葉より、自分の言葉に説得される」という原則のもと、SPINヒアリング法の手順に沿って質問し、お客様ご自身で潜在的ニーズに気づいてもらい、その潜在ニーズをお客様ご自身の中で、顕在ニーズとなるように質問で導くことです。

特に高額商品や複雑な商品には必須のヒアリング法になります。

 

まずSPINヒアリング法のご説明から致します。

SPIN法を一言で言うと、4つの質問でニーズをつくり、お客様から買いたいと言わせるヒアリング技術です。4つの質問とは下記になります。

①   状況質問(Situation) 【現状を整理する】

②問題質問(Problem) 【潜在ニーズに気づいてもらう】

②   示唆質問(Implication) 【問題の重要性を自覚してもらう】

③   解決質問(Need-payoff) 【問題を解決したメリットを認識してもらう】

あらかじめお客様が気づかれていないニーズを予測し、①~④順序に沿って質問していきます。

SPIN法を知らない方もいらっしゃると思うので、この4つの質問をもう少し掘り下げます。

 

まず①状況質問ですが、現状のお客様環境を確認する質問です。

例えば、PRしたい商品群の現在(過去)の使用状況や使用有無の確認、またそれを選択した理由や評価、そして今後の予定(直近・未来)等を確認する質問です。

 

次に②問題質問です。例えば下記のような質問です。

「○○についてお困りではないですか?」

「○○といったことはございませんか?」

「○○の事例のように御社でも同じ問題はありますか?」

最悪何1つYESが取れなければ・・・

「しいて課題を1つだけあげるとすれば、どんなことがありますか?」

 

その次は問題を自覚していただく③示唆質問です。一言で言うと、「ほったらかしていたらヤバくないですか」的な感じで、問題を放置した時の影響を聞く質問です。例えば下記のような質問です。

「その問題が解決されないと、どのような影響がおこるのでしょうか?」

「長期的に見て、このままでもよろしいのでしょうか?」

 

最後は問題を解決したメリットを認識してもらう④解決質問です。示唆質問でネガティブになっている雰囲気を一気にボジティブ変える質問です。例えば下記のような質問です。

「もし解決すれば、どんな状態になりますか?」

・「解決できると、どんないい影響がありそうですか?」

 

以上4つの質問をご説明しましたが、初めての方はピンとこないと思いますので

例えばサイバーセキュリティのアプライアンス製品である【UTM】を販売する営業のSPINスクリプトをご紹介いたします。

 

■状況質問(Situation)

「現状インターネットの出入口のセキュリテイ対策はどのようにされていますか?」

「御社のビジネスにおいてメールでのやりとりは多いですか?」

「大手企業の取引先ってありますか?」

■問題質問(Problem)

「インターネットの出入り口に鍵がかっていなくても不安ではないですか?」

「ウィルス感染の被害の経路で一番多いのはメールだということは御存知ですか?」

「サプライチェーン攻撃で中堅・中小企業が狙われているのはご存知ですか?」

「御社のPCがウイルス感染した場合、取引先に迷惑が掛かる可能性はありますか?」

■示唆質問(Implication)

「御社からウイルス付のメールが取引先に送信されて、もし仮に取引先がウイルス感染した場合

御社のビジネスにどのような影響がありそうですか?」

「サプライチェーン攻撃により、御社経由で取引先が狙われ、取引先の情報が漏洩した場合、

御社のビジネスへの影響は問題なさそうですか?」

「御社が原因で取引先の情報が漏洩した場合、御社の賠償責任等のリスクはないですか?」

■解決質問(Need-payoff)

「ネットを介したサイバー攻撃が激増していく状況ですので、インターネットの出入口対策は会社を守るためにも必要ではないですか?」

「きちんと対策した上での感染の場合、被害者扱いとなり、今後の取引への影響を最小限に抑えることにつながりませんか?」

「対策をきちんと行うことで取引先からの信用アップにつながりませんか?」

 

何となくご理解頂けましたでしょうか。

 


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著者プロフィール

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平井 徹

セールスアドバイザー
平井 徹事務所 代表
アン・コンサルティング株式会社 社外取締役
営業の「きつい」を「おもしろい」に

昭和46年生まれ51歳。大阪府摂津市で育つ。6年前に上京、現在横浜市在住。仕事の経歴は平成7年4月株式会社大塚商会入社、飛び込みメインのエリア営業配属。新人賞1位から10年連続で優秀セールス賞受賞。最年少営業マネジャーとなり、その後17年間営業管理職(大阪北支店12年、渋谷支店4年、千代田支店1年)に従事。2021年8月、平井徹事務所開業。兼業にてアン・コンサルティング株式会社の社外取締役就任。2022年7月、BtoB企業の営業支援を本格的に開始。現在顧問先複数社と契約し、社長・営業マネジャーと二人三脚で営業部門の強化に奔走。

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